夏目漱石が生まれ育ち、晩年の9年間を過ごした新宿区の一角に建っている「漱石山房記念館」。どこかでチラシを見たことを最近ふと思い出し、行ってみることに。ガラス張りの明るい建物の中に漱石に因んだ貴重な資料やお洒落な展示が並ぶ、とっても素敵な場所でした!
夏目漱石が、作家として過ごしたのは、わずか11年間。
その中でも晩年の9年間を、”漱石山房”と呼ばれる、新宿内の家で暮らしました。
和洋折衷の平家建て。
そういえば、明治期の建物って、客間が洋でも、普段過ごすところは畳の和室になっていることが多いんですよね😃
以前、呉鎮守府司令長官官舎に行った時も、
この通り↓
正面からみれば、思い切り洋館なのに、
奥に入っていくと、急に和室が見えてくるーー
という作りになっており、
やっぱり明治の人かは
「洋間はあくまで接客用。自分の時間を過ごすにはやっぱり和室でしょ!」
と思っていたんじゃないかな〜と思いを馳せて楽しんでました😌
漱石山房の実際の建物は、
昭和20年の空襲で消失してしまいましたが、
時代考証などを経て、記念館内に、一部復元、展示されています
ベランダ式回廊のついた、とってもモダンな建物でした✨
ここで、あの有名な「こゝろ」が執筆されたんだなぁと思うと、浪漫を感じまくりです
中でも印象に残っているのは
私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代わりに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己れとに充ちた現代に行きた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう。
『こゝろ』夏目漱石 大正3年
近代的な「個人主義」が広まる明治期に、
イギリスに留学し、多くのものに触れて生きてきたであろう漱石が
晩年に著した『こゝろ』
その中で、漱石は、近代的自我とは違う、
“道“に生きる「先生」の内面を丁寧に描写しています
なぜ漱石はその「時期」にその「内容」で本を書いたのか?
明治期の日本にどんなことを問いかけようとしたのか?
そんなことを考えながら本を読むのが大好きです❣️
〜おまけ〜
明治36年から39年まで夏目漱石が住んでいた、和風住宅が「明治村」に移築されており、
誰でも見学することができます
なんと明治23年から一年余の間、森鴎外も住んでいたらしいです!
漱石はここで『吾輩は猫である』を執筆。小説家デビューを果たしました